メインエンジン main engine 2004 8 24

 お金を何に投資するかは、自由です。
原油でも、不動産でも、国債でも、何でも自由です。
 しかし、個々の投資行動は、これが最善であると考えて、
あるいは、これが、一番、正しいと考えて行動した結果でしょうが、
全体では、誤りとなることがあります。
つまり、個々の最善の行動を合計すると、全体では、最善とは限らないのです。
 いい見本が、ここ数年続いた日本経済の低迷です。
バブル経済の崩壊後の日本経済において、
機関投資家や個人投資家は、安全第一を考えて、国債投資に集中しました。
 その結果、どうなったか。
お金が、みんな、国債市場に吸収されてしまい、中小企業に流れなくなりました。
こうして、日本経済を支えている中小企業は、重度の貧血となってしまいました。
これで、中小企業の倒産が相次ぎ、結局、銀行経営にも影響しました。
 また、同じく、お金が、株式市場から国債市場へシフトしたため、
株価が下落しました。
 その結果、どうなったか。
日本企業は、大量に株を持ち合いしていましたので、
多額の株の評価損を抱えることになりました。
特に、銀行は、大量の株を保有していましたので、銀行経営にも影響しました。
これで、日本企業は、後ろ向きの企業経営となりました。
 このように、景気が不調の時は、
投資家は、安全第一を考えて、国債投資に集中するのです。
これは、個々の行動としては、正しかったのでしょうが、
日本経済全体のことを考えれば、誤りだったのです。
 資本主義国においては、株式市場が、主エンジン(メインエンジン)なのです。
原油も、不動産も、国債も、あくまでも補助エンジンです。
 いくら補助エンジンが頑張っても、主エンジンがおかしくなれば、
どうなるか、わかるでしょう。






































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